明日からゴトーくんがやってくる。
頑張っておせちの仕込みや掃除をして
大方、ひと段落した頃、ケータイが突然鳴りました。
それは、友人が亡くなったという知らせでした。
彼女とは先月末に会ったばかりだし
忘年会か新年会やろうね、とメールもしたばかり。
信じられなくて、何度も彼女の夫に
「嘘でしょう、嘘でしょう」と繰り返しました。
でも、やはりそれは現実でした。
次に彼女の夫が涙ながらに言った言葉は
「明日、火葬になるんだ」というものでした。
年末なので告別式より先に火葬になってしまう、
会えるのは今夜しかないと。
いったん、電話を切って
ただ呆然と座っていたと思います。
そしてしばらくして我に返って
何人かの友人に連絡をとり
夜に対面することとなりました。
迎えがくるまでのわずかな時間。
なのに、途方もなく長く感じて
もうどうしていいかわからなくて
ゴトーくんに電話してしまいました。
いつもなら繋がらないであろう時間帯なのに
本当に本当に偶然に、彼の「もしもし」が聞こえました。
事情を話すと黙って聞いてくれて、
そして「ちゃんとお別れに行っておいで」と。
彼女をよく知り、
悲しみを共有する友人達とは違い
彼と話すことによって
少し落ち着きを取り戻したような気がしました。
しかし。
棺に入った彼女との対面は
「死」という現実に引き戻され
一番辛いであろうご家族の前で
私はただただ泣くばかりで
言葉をかけることは出来ませんでした。
帰宅してお風呂に入り
気持ちを静めようとしたけれど
まだまだ動揺していていて、
それでもそのままベッドに入りました。
何度も寝返りをうち、
彼女との思い出を辿っては泣いていました。
「ご冥福をお祈りします」
そんな風にこの時はまだ思えなかった。
現実を受けとめるコトがどうしてもまだ出来なかったのです。